ミニチュアファクトリーの年賀状を作っています。
こちらは裏面ですが、表面は独特なテイストの作風のイラストレーターさんにお願いしています。
なかなかインパクトがありますよ。
何かを作る作業とは、立体であっても平面であっても
さまざまな思いや、いい意味で、人同士の多少の衝突があるものですね。
その分、完成したら感慨深いものになります。
モノのクォリティも手をかけただけ良くなります。
手を抜いたら手を抜いたなりの仕上がりになります。
月並みですが、モノに記憶が宿るということでしょうか。
Takuro
短納期実現のために(6)
昨日、納期が延びるひとつの原因はサバを読むことであり、その原因は責任感や約束を破ると責められる雰囲気にあると書きました。
規律を守る厳しいマネージャーがいて、
責任感の強いスタッフがいて、
約束を守る強い意志がある。。。
素晴らしい会社ではありませんか?
でも人は大事な約束ほど、確実に守れる安全な時間を確保したいと思うものです。
作業途中で、他の人から何かを依頼されたり、予期せぬトラブルが起きたりするかもしれないからです。
結局は、ひとりひとりがしっかりした時間を確保しようとする結果、
全体の期間は大きく伸びてしまうことになるのです。
大事なことは、これは社内に限ったことではありません。
プロジェクトを完遂するという視点で見たとき、
お客様(依頼者)、製作会社(受託者)はひとつのチームです。
どこで遅れが生じたとしても、全体の遅れにつながることは変わりません。
つまり、お客様も製作会社も納期を早めるため、各工程での作業を短縮し、
全体の納期短縮に努める必要があるのです。
そもそも、本当に基本的なことですが、
ビジネスはお客様がいなくては成立しません。
お客様と自社を一体としてとらえる必要があるということですね。
なので、プロジェクトを考える時、お客様と製作会社はひとつのチームということになります。
もちろんお客様はお客様です。
さて、サバの話に戻ります。
各工程でサバを読んでいたとしても、
予定通り進めばいいじゃないか、という意見もあると思います。
しかし実際には、なかなかそうはいきません。
これについてはまだ今度書きたいと思います。
Takuro
短納期実現のために(5)
日頃私たちが手掛けているのはミニカーやフィギュアの製作です。基本的には毎回新しいものを作るので、いわゆるプロジェクトであると言えます。
私たちの業務に限りませんが、プロジェクトというものは予定通り進まないことが多いです。初めて作るものである以上、予期せぬ問題が発生しやすいことは以前に書きました。
今回は陥りやすい人為的な罠について書きたいと思います。
プロジェクトとは、複数の人がリレーをするようなイメージですね。各々の担当は自分の工程が完了したら次の人に渡していきます。
ここでよくあるのが、途中段階のチェックポイント(マイルストーン)を細かく区切った納期ととらえて、そのチェックポイントに間に合わせるよう過度なプレッシャーを各人員に強いることです。
すると、どうなるでしょうか。
間に合わなかった工程の担当者は責められるという雰囲気が生まれます。
そうすると、責められたくない人はどういう行動に出るか。
安全をみてサバを読むんですね。誰でも約束を破りたくはないし責められたくありません。サバを読みたくなる心理は十分理解できますね。
そして、マネージャーと担当の間で、サバの取り合いが始まるのです。。。担当者がサバを読んでるとわかっているマネージャーは3日で終わらせろと言い、担当者は安全をみて7日かかると言う。。。間をとって5日にしようとお互いの主張の中間で落ち着いたりします。こういう交渉って、よくあると思うのですが、非生産的ですよね。
つまり、納期が延びる原因のひとつはサバなのです。
さて、今日はここまでにしておきます。
Takuro
短納期実現のために(4)
さて、昨日はプロジェクトマネジメント手法であるCCPMについて書きました。
CCPMとは、クリティカルチェーンプロジェクトマネジメントの略です。
こう書くと、初めて聞く人には難しく聞こえてしまうかもしれませんが、よく内容を知れば、実態は極めて常識的で普通の管理方法です。
ただし常識といっても、従来の常識とはいささか異なることも多いのですが。
たとえば、下記の常識について考えてみてください。
・プロジェクトをなるべく早く開始した方が早く終わる。
これって正しいですか?
一見、正しいですよね?
では、こちらはどうですか?
・無駄のない緻密なスケジュールを組む。
これもどうですか?
正しく聞こえますよね。
では、これは?
・プロジェクトを計画通り進むように管理する。
これも正しいと思いますか?
実はこれらはほとんどの場合、全体の状況を考えると正しくありません。
とりあえず今回は、
・プロジェクトをなるべく早く開始した方が早く終わる。
という常識を取り上げて考えてみましょう。
もし、その組織内にひとつのプロジェクトしかなく、各メンバーの業務が直線的につながっているならばこの常識は正しいでしょう。
でも実際の仕事では、各スタッフが複数のプロジェクトを掛け持ちでおこなっていることが多いですね。
それで、どっちを優先するかわからない時もあったりしませんか?
その優先順位とは組織全体にとっての正しい優先順位で決まっていますか?
マネージャー間の力関係で決まっていたりしませんか?
もし誰かが間違った優先順位で選んだプロジェクトに従事していたら、その分のリソース(人)はその間は使えませんから
全体にとって重要な工程が停滞することになってしまいます。
複数のプロジェクトを抱える環境(マルチプロジェクト環境)では、どのプロジェクトも先を争って開始しようとし、リソースの奪い合いが起きることが多く、その結果それぞれのプロジェクトはスムーズに進まなくなってしまいます。
これを防ぐためには、組織全体にとって誰もが納得できる正しい優先順位を決めることによりリソースの奪い合いを避けることが必要です。そのような判断基準はあるのでしょうか?
常識は一見正しそうに思えることでも、実は深く考えると正しくないことがあります。
それをよく理解して挑む必要があるのです。
詳しくはまた書きますね。
Takuro
短納期実現のために(3)
求人募集開始しました
東京支店での打ち合わせ
短納期実現のために(2)
さて、前回、短納期実現のために(1)で、工場からあがってきた見本品は速やかにお客様に提示し、お客様の監修を正しく速やかに工場に指示をすると書きました。しかし、それでも実際の製作工程では予期せぬ遅れが出てきます。
根本的な理由のひとつは、私たちが製作するミニカーやフィギュア、ぬいぐるみ、ソフトラバー等は、ほとんどの場合、初めて作るものだからです。
こんなことを言うと、ミニカーやフィギュアの専門会社なら、もう慣れっこなんじゃないの?とお叱りを受けそうですね。確かに、ミニカーやフィギュアは数え切れないほどの種類、数量を作っています。
しかし一言でミニカーといっても、車種、サイズやスケール、求める仕様によって毎回異なるものとなり、その仕様特有の難しさがあったりします。
もちろん、そうはいっても同じミニカーなので、だいたいのパターン、流れは共通していますから、クォリティが同程度ならば全体の製作期間はだいたいはわかります。
しかし、製作途上で問題になるところは、その都度異なってくるのです。
ある時は湾曲した形状のサイドミラー、ある時は開閉するドアの閉まり具合、ある時は十数点のロゴを再現するデカールの精度のばらつき、、、
余談ですが、以前に手掛けたもの、中でも苦労したものを見ると、このミラーと窓ガラスに苦しめられたな~、などと思い出します。
さて、まとめると、似たようなプロジェクトでもモノが違えば、何らかの予期せぬ問題発生のリスクがあるということです。
それを未然に防ぐために、リスクに敏感に進めていかなければなりません。しかしそれでも防げないことはあります。その場合は試作品の上がりが遅れたりします。
ご依頼いただくお客様にとっては、私達よりもグッズ製作に関する経験が当然少ない場合が多いですから、このあたりのことを十分に説明をしないといけません。そうでないと、何で予定通り進んでないんだ!?と不安に思われてしまいます。
さて、初めて作る以上は予期せぬ問題発生は避けられない、、、とすると、それにどう対応するのが良いのでしょうか、、。
それについては、またあらためて書きたいと思います。
今日のテーマは、仕様が毎回異なることの特徴だけにしておきます。
同じミニカー、同じフィギュアだからと侮るなかれ。
すみません、自分たちへの戒めのようになってしまいました。
Takuro
PS.いよいよ水曜日から求人募集が開始になります。
求人原稿に願いを
短納期実現のために(1)
昨日ちらっと、苦しいことは納期が迫ってきたときのせめぎ合いと書きました。
普段、ミニカーやフィギュアなどを製作している中で、
納期について気をつけていることはこんなことです。
1.工場からあがってきた原型や試作品はできるだけ速やかにお客様(クライアント)にご提示いたします。
2.お客様チェック後、修正内容はできるだけ速やかに工場に指示しています。
3.指示書は文字だけでなく写真や絵を用いて、誰が見てもわかるように作成しています。
4.指示が複雑で伝えにくい内容に関しては、社内で確認し合い、伝達ミスが起こらないように気をつけています。
お客様、弊社、工場、それぞれの流れを止めないように。
流れの中に間違った情報を流さないように。。。
注意を払っています。
日本では、あたりまえのように伝わると思っていても、
海外では、あたりまえではなかったりします。
日々勉強です。
他にもいろいろありますが、
また追って書きたいと思います。
Takuro